アスリート 頭のなか

スポーツをやり続ければ、そのスポーツに必要な筋肉が必要なだけつく?

2017/06/15

前回の記事の続きとして投稿します!

こちらをまだ読んでいない方はぜひお読みください。

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「スポーツをやり続けたら、必要な筋肉がつく」のは本当か?

「スポーツをやり続けたら、そのスポーツに必要な筋肉がついていく」という声があります。

これは私の考えも同じです。ただ、「筋肉がついていく」ことと、「必要な筋肉が発達し続ける」こととは、同じようでちょっと違います。

・・・なんか書いていたらどんどん長くなったので、はじめにまとめを書いておきます。まとまってんのかわかんないけど。

  • スポーツ動作で筋肉が発達していくのは初心者のうちだけ
  • 必要な筋肉が発達するというよりはスポーツ動作が上手くなるという「技術」の問題
  • なので、ある程度スポーツ動作が安定してきたら(技術が身についてきたら)筋肉はそれ以上発達しなくなる
  • そもそもスポーツ動作は複雑なので、筋肉の発達には刺激が弱すぎる
  • スポーツでいくら全力プレーをしても、様々な条件が絡み合いすぎて筋肉の発達に役立つほど刺激が得られない
  • より技術を磨くには、あらかじめその技術を得るだけの体力(筋力や持久力)が必要
  • 特定のプレーができるギリギリの体力(筋力も持久力も)では、プレーの正確性や安定性が向上しない
  • トレーニングで筋力を高めて、体力に余裕を持ったプレーができるようにする(疲れにくくする)のが効果的
  • トレーニングで持久力をつけて、回復力を高める(疲れを迅速に取りのぞく)ことが効果的
  • 「必要なだけ」というのは、ギリギリではなくちょっと余裕のある状態のこと

今回は競技特有のジャンプ、とくにバレーボールのスパイクジャンプを例にとって書いてみます。

基本的に、スポーツで身体を使ってさえいれば筋肉は発達する

筋肉に限ったことではないですが、筋肉は使っていれば発達していきます。ジャンプしていれば、同じ高さのジャンプがよりラクにできるように筋肉が発達していきます。

これがたとえばバレーボールなら、スパイク練習の繰り返しによって、スパイクジャンプの最高到達点が高くなるように筋肉がついていくということです。

ということは、わざわざトレーニングしなくたって、練習さえやっていれば必要だけ筋肉はつく!

・・・という考えに、実は落とし穴があります。

スポーツ動作では、筋肉を発達させるには刺激が弱すぎる

そのスポーツの初心者をのぞいて、スポーツ動作だけでは筋肉を発達させられるだけの刺激が足りません。もしスポーツ動作だけで刺激が足りていたら、練習すればするほど最高到達点は高くなっていくはずです。チームの中でいちばんバレーボール歴が長いベテラン選手が最も最高到達点が高くなきゃ「スポーツ動作の繰り返しでそのスポーツに必要な筋肉が発達していく」という理論は説明できません。

ジャンプを例にとれば、単純に考えると「全力でジャンプ」する練習の繰り返しでジャンプ力が向上していきます。

スパイクジャンプはバレーボール特有の少し特殊な動作です。動作が複雑になればなるほど、筋肉に加わる刺激はある意味弱くなります。なぜなら、スポーツ動作のような複雑な動きは、自分の持っている力をコントロールする(力を入れすぎない、力をいれたり抜いたりする)必要があるからです。

練習のなかではさらに「全力ジャンプ」が難しくなる

練習のなかでスパイクジャンプを何も考えず全力で跳べることが何回あるでしょうか?ボールの軌道や自分自身のコンディションによって踏切のタイミングや位置を微妙にずらして跳んでいます。このとき、無意識のうちに身体は少しだけ力をセーブしてしまいます。練習中は「全力ジャンプ」はなかなかできない、場合によっては「しない」状態の繰り返しであって、刺激は足りません。

いままで自分が跳んだこともないくらいの高さを目指して常にジャンプをしていなければ、最高到達点は高くはなりません。これを練習のなかで行うことは難しいでしょう。バレーボールは高く跳ぶことを競うスポーツではないですから、セッターからのトスをジャストミートできるように互いにコミュニケーションをとって練習することのほうが大切なはずです。

筋肉が発達するというよりも、スポーツ動作が上手くなって向上していく

「初心者をのぞいて」というのは、初心者の場合はスポーツ動作そのものができないことがあるためです。

同じ「ジャンプ」でも、バスケットボールのジャンプとバレーボールのジャンプとでは、やり方が違います。身体の使い方が変われば、上手くできないうちは力のいれ方、抜き方、それぞれのタイミングがわからず、高くジャンプすることはできません。これは筋肉があるないの問題というよりも、使い方がまだわかっていないだけ。技術の問題です。

初心者においては、どこか特定の筋肉が弱くてそのスポーツを繰り返しているうちに弱かった筋肉が発達していく、という可能性はありますが、これはあくまで他の筋肉とのバランスが良くなるまでの発達であって、それ以上の発達はおこりません。

技術が必要なプレーだからこそ、余裕をもてるだけの体力が必要

ひとつのことに集中すればするほど、他のことはできなくなります。高く飛んでもトスとのタイミングが合わない、コースを打ち分けられないということも起こりかねません。もっているフィジカルを100%使わないとできないプレーは、正確性や安定性に欠けます。100%全力なんだから、何回も同じことはできないってことですよね?

数値化できるものではありませんが、自分の持っている体力の7割、8割程度で行うプレーのほうが正確性や安定性はあるはずです。

手抜きプレーを推奨しているわけではありません。全力プレーには「体力」以外の要素もたくさん絡むからこそ、余裕があるくらいの体力を身につけておく必要があるということです。

1試合で1回か2回しかできないプレーを常に磨くことより、1回、2回しかできない良いプレーを3回、4回とできるようにしていくことのほうが勝率は上がるはずです。それには高い技術が必要。高い技術身につけ、繰り返すにはそれだけの体力が必要。これにはスタミナだけではなく、100%フルパワー手前でも高いレベルのプレーができるだけの筋力も必要です。

余裕のあるプレーと手抜きプレーは違う

「余裕をもって」みたいな表現をすると、「手を抜かせるのか」なんていうツッコミが入ってしまいそうですが、そんなことはありません。

体力に余裕があれば、そのぶん他のいろいろなことに気をまわせるようになります。競技スポーツなら、仲間とのコンビネーション、相手との駆け引きがあります。ただ単に体力自慢していても勝てません。脚が速くても、ジャンプ力が高くても、勝たなきゃ意味ないですよね。

勝つためには、プレーの幅を広げ、高い技術を磨き、相手との駆け引きを制することが最も大切なことなはずです。そのためには自分自身が常に体力限界ギリギリでいっぱいいっぱいになって戦っていてはダメです。自分よりもはやく相手にそうなってもらうことが勝利につながります。

もし試合や練習で手を抜いていたら、勝つための条件は果たせないはずです。


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