洞察力

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カラダづくりのコツ

スポーツのパフォーマンス向上に、筋トレはいらない?

2017/01/03

昨日、TVでイチロー選手のインタビューが放送されていて、内容が同業者の方々のなかでちょっとした話題になっています。

 

 

ホント、かっこいいよな。ここまで自分をもっている人って。

頑固とか、頭がカタいとかでなくって。

正解のない世界で、「これが正解だ」と自信をもって話せるあたりが本当にすごい。

答えを探すんじゃなく、答えをつくれる人は強い。そしてめちゃくちゃカッコイイ。

イチロー選手を超リスペクトしている私としても無視できない内容だったので、今回はインタビューの内容をもとにスポーツにおける筋トレの必要性についてかいてみます。

それではまとめから

【まとめ】

  • 筋トレが必要ないのが理想、でも現実は筋トレが必要
  • 筋トレ=筋肉を大きくする、からだを大きくすることではない
  • 筋トレには「怪我を防ぐ」という効果がある
  • イチロー選手の言っていること(たとえば「筋トレ」という言葉の使い方)は、本人の主観・イメージからなるコメントであることを理解しなくてはいけない
  • 「パフォーマンスアップに筋トレなんて必要ねぇ!!」と思う前に、イチロー選手は「野球選手」で「外野手」で「身長180cm前後」で「体重は78kg」で「体脂肪率は1桁」であることを前提にしなくてはならない
  • 収録時間は1時間以上、でもオンエアは数十分である。ということは私たちは全てを聞いたワケではない

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筋トレしなくてもいいのが理想

極端なことをいえば、試合本番だけやって勝てるのが理想です。

練習も何もせず。

でもみんな練習する。その理由はわざわざ私がここで書くことではないでしょう。

じゃあ筋トレはどうか?

筋トレの主な目的はパワー(大きな力をだすことと、力を高速スピードで出すこと)の強化。

これが十分備わっていて、もうそれ以上必要ないのなら筋トレやらなくてもいいだろうし(正確には、やらなくなったら低下していくけど)、練習で強化できるのなら練習を頑張ったらいい。

筋トレしなくてもいい状態というのは、ある意味では理想的な状態です。

でも現実的に筋トレするのはなぜ?

単純に、パワーが不十分だからです。

そして、その強化をするには、練習をしただけでは不十分だからです。

大きなパワーを出すには、大きな力を出す能力力を素早く出す能力とが必要です。

大きな力を出す能力は、それだけの力を出せる筋肉量が、

力を素早く出す能力にも、それだけ素早く動かせるだけの筋肉量が必要。

筋肉量「だけ」じゃなく、身体の使い方や柔軟性や脳・神経との関係もあるけど、

そもそも身体を動かす「筋肉」が足りなかったら、できないことです。

イチロー選手に筋トレはいらない?

今の体格を考えたら、「筋肉量を多くする」という目的での筋トレはもう十分かも

イチロー選手は、メジャー挑戦前年に70kgから78kgまで増量した以来、体重も体脂肪率も変わっていない(変えていない)そうです。

身長は180cm、体重は78kg。これは、BMIでいえば24です。

BMIの標準範囲が18.5〜25と言われていますから、標準よりもやや重めの体重であることがわかります(あくまで、日本人の一般的な標準なので、本来はスポーツ選手には当てはまらないのかもしれませんが)。

あれだけ大柄なメジャーリーガーの中にいることで華奢なイメージのあるイチロー選手であっても、これだけの体重があります。

もうひとつ華奢なイメージを持たせる要因としては、体脂肪率が低いこと。正確な数値は発表されていないようですが、5%前後といわれています。体重にしめる筋肉量の割合がかなり高いことがわかります。筋肉は脂肪よりも重いですから、体脂肪率が低ければ低いほど、同じ体重でも痩せてみえます。

もし体重も体脂肪率も本当に変わっていないとしたら、若干18歳でもうすでにからだは出来上がっていたということです(なにをもって出来上がっているというのかによりますが)。

「筋トレはやらない」という類のコメントをしたイチロー選手ですが、BMI24あって体脂肪率1桁なら、野球選手ならそれ以上筋トレによって筋肉量を大きくしなくてもいいという選択肢は間違いではないと思います。それはイチロー選手のパフォーマンスが証明しています。

これまで以上に打球を遠くに飛ばす・球速を速くするというようなことを最大の目的にはしていない

特にホームランを軽々打てるようにしたいわけでもなく、レーザービームのスピードをより速くしたいということでもなさそうです。より脚が速くなりたい、ということでもないでしょう。 安打数、安打率、盗塁数にはこだわったとしても、そこで好成績を残すためにフィジカル要素を強化するというのはあくまで「選択肢」であって、今のイチロー選手のなかにその選択肢を選ぶ気はないように思えます。その理由は前述した通り、本人がもうこれ以上フィジカルを強化する必要性を感じていないからだと考えられます。実際に聞いてないからわかんないですけど。

怪我なく現役を続け、高いパフォーマンスを発揮したい。自分の今持っている体力を保ちながら、技術をより磨いていきたいという考えでいるように思えます。

イチロー選手のなかで、「筋トレ」とは、「筋肉を大きくすること」という定義がある

筋トレを「筋肉を大きくすること」としてとらえると、イチロー選手の言っていることは筋が通ります。

たとえば、「筋トレして体重3kg増やしたらカラダが動かなくなった」とか、「筋トレしてた直後の開幕当初はスイングスピードが遅い、でもシーズン中筋トレしないから体重が落ちていって、スピードが上がる」というコメントからも、「筋トレ=筋肉量を多くする作業」として行っていることがよくわかります。

体重や体脂肪率を考えても、そのへんの人とは比べ物にならないくらい良いカラダ。コンタクトスポーツなわけでもないから、実際本当にこれ以上大きくしなくてもいいでしょう。

ただ、筋肉を大きくする作業だけが筋トレではありません。筋トレはやり方によって筋肉の収縮スピードを速くしたり、筋肉から出す力を大きくする効果もだせますし、柔軟性を高める効果もあります。

現にイチロー選手がずっと行っている「初動負荷トレーニング」も、筋トレです。初動負荷トレーニングをやっている感覚としては、「力を抜く」とか「筋肉をゴムのように伸び縮みさせる」いう感覚があるかもしれませんが、筋肉を鍛えてることに変わりはありませんし、筋トレの方法論の一種をやっているに過ぎません。

同じ鉄の鉛を扱っていたとしても、やり方によって筋肉を大きくすることもできれば、力を出す練習になったり、逆に抜く練習になったりもします。

イチロー選手の感覚のなかで、「初動負荷トレーニング」は筋トレとして捉えていないから「筋トレはしない」と言っているだけであって、本当は筋トレしてるんです。「筋トレ」という言葉をどう使っているかが、違うだけです。

すでにベースがあるから、技術の向上に集中できる

くりかえしになってしまうけれど、イチロー選手はすでに素晴らしいカラダをもっています。体重や体脂肪率のデータからもそれは疑いようがありません。だからこそ、技術の向上に常に集中できるんです。

もちろん、体力低下を防ぐ必要はあります。だから何もやっていないわけではなくって、最高のコンディションを常に保つための方法を試行錯誤し、自分に合った方法を毎試合前、毎回の練習で行っているのは有名な話です。この拘りと徹底ぶりが変わらぬパフォーマンスを発揮できている理由です。

どんなにフィジカルが優れていても、技術を磨かなければパフォーマンスは向上しません。

ただ、フィジカルの強さが不十分だと技術を磨くことができません。

私たちがテレビで見ることができたのはほんの一部

メディアの怖さは、「編集」があることです。ノーカットでインタビューを流すことなんてそうはありません。それに、もし今回の1時間以上のインタビューがノーカットであったとしても、イチロー選手のスタイルを全て理解できるなんてことは無理でしょう。大ファンの自分でさえ、書籍やテレビからの情報しか知らないですから。イチロー選手のことを1%も理解できていないと思います。

イチロー選手の言葉には圧倒的な説得力があります。だからこそ、聞く側は自分自身が変な受け取り方をしないようにする必要があると私は思っています。イチロー選手のような選手ほど、表面的な情報を鵜呑みにするようなことはしません。

「今は情報が多すぎて頭でっかちになりがち」というイチロー選手のコメントからも、それが伺えます。


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