「アルギニンは運動前と運動後、どちらで飲むのが正解なの?」
筋トレの日も、ランニングの日も、この疑問で悩む方は多いはずです。検索しても情報はバラバラで、結局どうすればいいのか分からないまま、なんとなく飲んでいる方も少なくないでしょう。
私はパーソナルトレーナーとして15,000回以上のセッションを担当し、300名以上のアスリートやアーティストのコンディション管理をサポートしてきました。その経験から断言できるのは、アルギニンは「運動前」に摂取するのが基本だということです。
ただし、「何分前に摂るか」「どんな準備と組み合わせるか」で効果の実感は大きく変わります。直前に慌てて飲むのではなく、メインのトレーニング開始30分前を目安に、余裕を持って摂取することで、ウォームアップからメインセットへの流れがスムーズになります。
この記事では、筋トレとランニングに分けて、最適な摂取タイミング、EAA・プロテイン・カフェインとの組み合わせ方、夜トレ時の注意点まで、現場で効果を確認してきた方法を具体的にお伝えします。
なぜ「運動前30分」が基本なのか
アルギニンを運動前に摂取する理由は、体が運動モードに切り替わる準備時間を確保できるからです。
直前に慌てて飲むと、以下の問題が起きやすくなります。
① 呼吸と姿勢を整える時間がない
サプリメントを摂取した直後にトレーニングを始めると、準備不足のままメインセットに入ることになります。30分の余裕があれば、深呼吸で自律神経を整え、姿勢を確認してからウォームアップに入れます。
② 体内で作用し始めるまでの時間が足りない
アルギニンが体内で働き始めるまでには一定の時間がかかります。直前摂取では、その恩恵を十分に受けられないままトレーニングを終えることになります。
③ 胃の状態が安定しない
特に空腹時や食後すぐの摂取は、胃に違和感を覚えることがあります。30分の余裕があれば、水分補給と組み合わせて胃の状態を落ち着かせてからトレーニングに入れます。
筋トレ日の摂取タイミングと流れ
筋トレの日は、メインセット開始の30分前を基準にアルギニンを摂取します。ジム到着後の流れを以下のように組み立てると、効果を安定して実感しやすくなります。
推奨する流れ(ジム到着後)
① 更衣を済ませ、水をひと口
いきなりサプリメントを摂るのではなく、まず少量の水で口と喉を潤します。
② アルギニン5000スティックゼリーを1本摂取
ゼリータイプなので、水なしでも手軽に摂取できます。ロッカールームや休憩スペースで落ち着いて摂りましょう。
③ 関節まわりの可動域づくり(10分程度)
肩甲帯・股関節・胸椎を中心に、動きの範囲を広げる準備運動を行います。
④ 競技動作に近いウォームアップ(10分程度)
バーのみ、または軽重量でフォームを確認しながら、メインセットに向けて体を温めます。
⑤ メインセットへ
時間の組み立て例(19:00にメインセット開始の場合)
18:25 ジム到着、更衣、水をひと口 18:30 アルギニン摂取 18:35 可動域づくり開始 18:45 ウォームアップ開始(バーのみ → 軽重量) 19:00 メインセット開始
「到着して一息ついたら摂取する」くらいの余裕が、ちょうど良いリズムになります。
胃と食事のコツ
空腹で胃が重くなりやすい方
ヨーグルト、バナナ半分、ナッツ少量など、消化に優しい軽食を先に摂ってからアルギニンを摂取すると安定します。
脂っこい食事の直後
揚げ物やこってり系の食事の直後は避けましょう。45〜60分空けてからの摂取を推奨します。
口が渇きやすい方
摂取の前後にひと口ずつ水を飲むと、口内環境が落ち着きます。
夜トレの場合の調整
就寝時間が近い夜トレの場合は、摂取タイミングを40〜60分前にやや早めて様子を確認します。
眠りに影響が出る日は、その夜の摂取は控え、翌日の朝または日中のトレーニングに切り替えるのが安全です。夕方以降のカフェイン摂取も控えめにしましょう。
ランニング・有酸素運動の日の摂取タイミング
ランニングや有酸素運動の日は、「軽く体を動かしてから本格的に走り始める」という流れの中でアルギニンを摂取します。
朝ランニングの場合(出社前など)
摂取タイミング:スタートの20〜30分前
起床 → 水をひと口 → アルギニン摂取 → 準備運動(10分) → スタート
空腹で胃が重くなる方は、バナナ数口やヨーグルトひとさじを添えると安定します。初回で違和感が出た場合は、朝の摂取は控え、日中のランニングで試してみてください。
夕方ランニングの場合(仕事後)
摂取タイミング:スタートの30〜45分前
更衣 → 水をひと口 → アルギニン摂取 → 可動域づくり → 軽いジョグ → 本番ペースへ
脂っこい食事の直後は避け、45〜60分空けてから摂取しましょう。夜遅いランニングの場合は、45〜60分前に早めて就寝への影響を確認します。
メニュー別のポイント
イージーラン・ジョグ(60分以内)
上記の基本タイミングを守るだけで十分です。水分は摂取前後にひと口ずつ。
ビルドアップ・インターバル
ウォームアップ開始の30分前を基準に。ペースの上げ下げを安定させるため、カフェインは置き換えるか30〜60分の時間差をつけます。
長距離走(60分超)
開始前に少量の糖質(バナナ半分など)と水分を摂っておきます。暑い日は電解質も先に準備しておくと、後半の失速を防げます。
運動後に飲むのはあり?判断の基準
基本は運動前の摂取で十分——これが出発点です。
運動後に追加で摂取するのは、明確な目的がある場合に限定しましょう。
運動後の摂取が「あり」なケース
- トレーニングが90分以上に長引き、この後も頭を使う作業が続く
- 朝トレーニング後で、日中のパフォーマンスを整えたい(就寝まで十分な時間がある)
- 事情があって運動前に摂取できなかったので、クールダウン後に軽く補いたい
運動後の摂取を「避ける」べきケース
- 夜トレで就寝まで2時間を切っている
- 胃の重さ、胸やけ、動悸などの違和感を感じたことがある
- すでに運動前に摂取済み(むやみに追加せず、栄養・水分・睡眠を優先)
運動後に摂取する場合のコツ
終了直後ではなく、クールダウン → 水をひと口 → 呼吸を整えるという流れを挟んでから摂取します。少量で試し、合う日だけ継続。1日の合計量はパッケージの目安内にとどめましょう。
回復の主役はあくまで睡眠・たんぱく質・糖質・水分です。アルギニンはそれらを補助する位置づけと考えてください。
EAA・クレアチン・カフェインとの組み合わせ方
基本の考え方は、アルギニンが主役、他のサプリメントは時間をずらして摂取です。
複数のサプリメントを同時に摂り始めると、何が効いているのか判断できなくなります。まずはアルギニン単体で摂取タイミングを固定し、その後に1つずつ追加していくのが効果を実感しやすい方法です。
EAA(必須アミノ酸)との組み合わせ
筋トレの日 アルギニン → ウォームアップの流れを崩さず、EAAは動き始めてから少しずつ摂取。メインセット中〜直後に小分けで飲むのが定番です。
ランニングの日 ジョグに入って10〜20分後から小分けに摂取。胃が繊細な方は、濃度を薄めて少しずつ飲むと安定します。
クレアチンとの組み合わせ
クレアチンは「急に効かせる」ものではなく、毎日コツコツ摂り続けることで効果を発揮します。摂取時間帯は食後やトレーニング後など、継続しやすいタイミングに固定しましょう。
アルギニンと同時に摂る必要はありません。アルギニンの摂取時刻を先に決め、クレアチンは日課として別のタイミングで淡々と継続するのがおすすめです。
カフェインとの組み合わせ
カフェインとアルギニンを同時に摂ると、どちらが作用しているのか分かりにくくなります。
基本は置き換え
その日はアルギニンのみでトレーニングに臨み、コーヒーやプレワークアウトは控える。
併用する場合
30〜60分の時間差をつける。先にアルギニン → 30〜60分後にカフェイン、または先にカフェイン → 60分後にアルギニン。
夜トレの場合
睡眠を優先し、カフェインは控えめに。どうしても必要な日は早い時間に少量だけ。
スケジュール例①:筋トレ19:00メインセット開始
18:25 アルギニン摂取 18:30 可動域づくり → 18:45 ウォームアップ 19:05〜 EAAを小分けに摂取 夕食後 クレアチン(習慣化重視) カフェイン 原則なし。必要日だけ17:30頃に少量
スケジュール例②:朝ラン6:30スタート
6:00 水 → アルギニン摂取 6:10 準備運動 6:30 スタート、10〜20分後からEAAを少しずつ 朝食後 クレアチン カフェイン 置き換えが無難。摂る場合は5:30頃に小サイズ
食事と水分の合わせ方
運動日の効果の実感は、食事と水分の摂り方で大きく左右されます。アルギニンの摂取タイミングだけでなく、口に入れるものの順番を揃えることで、パフォーマンスが安定します。
脂っこい食事の直後は避ける
揚げ物やこってり系の食事の直後は、胃に負担がかかっています。45〜60分は間を空けてからトレーニングを開始しましょう。時間がない日は、強度を落として可動域づくり中心のメニューに切り替えるのも選択肢です。
空腹で胃が重くなる方は軽い一口を
ヨーグルト、バナナ半分、カステラ一切れ、ゼリー飲料少量など。量は少なめで十分です。目的はエネルギー補給というより、胃を落ち着かせることにあります。
糖質は少し先行させると効果的
インターバルや重めのメニューがある日は、開始60〜90分前におにぎり半分やトースト少量を摂っておきます。直前に大量に食べるより、少し前に控えめに摂る方が安定します。
水分は前後に少しずつ
がぶ飲みは脇腹の違和感やトイレ休憩でトレーニングの流れが途切れる原因になります。アルギニン摂取の前後にひと口ずつ、運動中はこまめに少量ずつ補給しましょう。発汗が多い日は電解質を少量加えると、後半の失速を防げます。
スケジュール例:夜トレ19:30開始(筋トレ)
18:00 軽めの補食(おにぎり半分またはバナナ) 18:50 水をひと口 → アルギニン摂取 19:00 可動域づくり → ウォームアップ 19:30 メインセット開始
スケジュール例:夕方ラン18:30スタート
17:00 間食少量(ヨーグルトまたはカステラ) 17:45 水をひと口 → アルギニン摂取 18:00 準備運動 18:30 ジョグ開始
よくある失敗と対策
失敗①:直前に慌てて飲む
対策:メインセット30分前に固定。「到着 → 水 → アルギニン → 可動域づくり」の順に戻す。
失敗②:プレワークアウトと同時に摂取
対策:何が効いているか判断できない。まずは置き換え、併用する日は30〜60分の時間差をつける。
失敗③:毎回の摂取時刻がバラバラ
対策:同じ時刻で3〜5回続けてから微調整。条件を揃えないと効果の比較ができない。
失敗④:脂っこい食事の直後に摂取
対策:45〜60分空けるか、強度を落として可動域中心のメニューに変更。
失敗⑤:空腹で胃がムカムカする
対策:ヨーグルトやバナナ少量を添える。合わなければ食間に摂取タイミングを変更。
失敗⑥:水分ゼロ、または直前にがぶ飲み
対策:摂取前後にひと口ずつ、運動中はこまめに少量。
失敗⑦:夜トレで就寝直前にも追加摂取
対策:眠りに影響しやすい。摂取するならウォームアップ前に早め、就寝が近い日は運動後の追加は控える。
失敗⑧:暑い日に電解質なし
対策:後半で失速する原因に。水だけでなく電解質を少量準備しておく。
失敗⑨:効果を感じない日に量を増やし続ける
対策:量より摂取時刻の固定が先。タイミングを揃えた上で、食事・睡眠の土台を整える。
体質・目的別のアレンジ
胃が弱い方
空腹だと重くなりやすいので、運動30〜40分前に摂取タイミングを調整。ヨーグルトやバナナ少量を添えましょう。脂っこい食事直後は避け、45〜60分空けてから。
カフェインに敏感な方
プレワークアウトはアルギニンへの置き換えを基本に。併用する日は30〜60分の時間差をつけ、夜トレはカフェインなしを推奨。
減量期(脂肪を落としたい方)
空腹トレで気持ち悪くなる場合は、軽い糖質を60〜90分前に少量。アルギニンは30分前を固定。水分はこまめに少量ずつ。
筋肥大期(ボリューム重視の方)
セッションが長くなる日は、ウォームアップ30分前にアルギニン → EAAは動き出してから小分け。クレアチンは食後で淡々と継続。
持久系メインの方(ラン・バイク)
朝は起床 → 水 → アルギニン → 準備10分 → 開始。60分超は少量の糖質と電解質を先に準備。夕方は30〜45分前を基準に。
夜トレ派の方
就寝が近い日は40〜60分前に早めて様子を確認。眠りに影響が出る日はその夜は控え、翌日の朝または日中に切り替え。
月経前でむくみやすい方
水分を減らさず、少量を回数多く摂取。塩分の強い食事を控え、摂取タイミングは30分前で固定してブレを作らない。
40代以降の方
可動域づくりに時間を割き、「アルギニン → 可動域 → ウォームアップ」の順を徹底。脂っこい食事直後を避け、胃に優しい補食を活用。
初心者の方
まずは「同じ時刻で3〜5回」を合言葉に。迷ったら「到着 → 水 → 30分前 → 可動域」の基本に戻りましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. アルギニンは運動前・運動後どちらがいいですか? 基本は運動前です。メインセット開始の30分前を目安に摂取してください。運動後は明確な目的がある日だけ、少量で試しましょう。
Q. 運動前は何分前に飲めばいいですか? 目安は30分前です。夜トレや緊張しやすい日は40〜60分前に早めて様子を確認してください。
Q. 筋トレの日はいつ飲めばいいですか? 「到着 → 水 → アルギニン → 可動域 → ウォームアップ → メインセット」の流れで、メインセット30分前に固定するのがおすすめです。
Q. ランニング前はいつ飲めばいいですか? 朝ランはスタート20〜30分前、夕方ランは30〜45分前が目安です。60分超の長距離では、少量の糖質と水分も先に摂っておきましょう。
Q. 空腹時に飲んでも大丈夫ですか? 体質によります。空腹で胃が重くなる方は、ヨーグルトやバナナ少量を添えるか、食間に摂取タイミングを変更してください。
Q. プロテインやEAAと同時に飲んでいいですか? 同時摂取だと何が効いているか分かりにくくなります。アルギニンは運動前、EAAは動き出してから小分け、プロテインは運動後、と時間をずらすのが効果的です。
Q. カフェイン(コーヒー・プレワークアウト)と一緒に飲んでいいですか? 基本は置き換えを推奨します。併用する日は30〜60分の時間差をつけてください。夜トレはカフェイン控えめが無難です。
Q. 運動後にも飲むべきですか? 多くの場合、運動前の摂取で十分です。運動後に追加するのは、朝〜日中のトレーニング後で作業が続く日など、明確な理由がある場合に限定しましょう。
Q. 就寝前のトレーニング日はどうすればいいですか? 眠りを優先してください。摂取するならウォームアップ前に40〜60分早めて様子を確認し、運動後の追加摂取は控えましょう。
Q. 毎日続けても問題ありませんか? 体調が安定していれば問題ありません。摂取量はパッケージの目安内にとどめ、合わない日は無理をしないでください。
安全面の注意と相談の目安
アルギニンは体づくりを支えるサプリメントです。トレーニングの成果を保証する薬ではありません。体調に合わせて無理なく活用しましょう。
摂取前に医師への相談が必要な方
- 通院中・服薬中の方(特に降圧薬、硝酸薬〈狭心症治療薬〉、PDE5阻害薬を服用中の方)
- 心臓・血圧・腎臓・肝臓・糖尿病などの持病がある方
- 妊娠中・授乳中・妊活中の方
- 手術前後の方
中止して様子を見るべきサイン
- 強い胃の重さ、胸やけ、吐き気
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
- 動悸、めまい、息苦しさ
- 寝つきの悪化、夜中に何度も目が覚める
基本の守り方
- 摂取量はパッケージの目安内にとどめ、いきなり増やさない
- アルコールとは重ねない。夜トレ日はカフェインを控えめに
- 脂っこい食事の直後は避け、少し時間を空ける
- 直射日光・高温多湿を避けて保管し、お子さまの手の届かない場所に
まとめ:運動前30分を定位置にして、他は時間差で整える
アルギニンは運動前に摂取するのが基本です。
目安はメインセット開始の30分前。「到着 → 水をひと口 → アルギニン → 可動域づくり → ウォームアップ」の流れを習慣化するだけで、ウォームアップからメインセットへの移行がスムーズになります。
夜トレや緊張しやすい日は、40〜60分前に早めて様子を確認。眠りに影響が出る日は、その夜は控えて朝や日中に切り替えるのが安全です。
EAA・プロテイン・クレアチン・カフェインとは、同時に摂らず時間差で。脂っこい食事の直後は避け、空腹で胃が重い方は軽い一口を添える。水分は前後に少量で十分です。
迷ったら、まずは同じ時刻で3〜5回続けてみる。効果を実感できた日のパターンを固定してから、必要なものを少しずつ追加していく。これが運動日のアルギニン活用で最も効果を実感しやすい方法です。

