「アルギニンは運動前と運動後、どっちで飲むのがいいの?」
筋トレの日も、ランニングの日も、ここで迷う人は多いはずです。検索しても情報はばらばら。まずは日常で使える“基準”をひとつ持ちましょう。
このガイドでは、アルギニンの飲むタイミングを「運動前が基本、運動後は目的次第」という考え方で整理します。筋トレとランニングに分けて、「何分前を目安にするか」「直前より少し前に入れる理由」「夜トレのときの寄せ方」まで、難しい理屈を抜きにして具体的に書きます。
キーワードは再現性です。毎回バラバラだと体感は読めません。まずは同じ条件で数回試し、合う型を固定する。そこに食事・水分・カフェイン・EAAとの合わせ方を“時間差”で足していく。これだけで、アルギニンの体感は安定して見えてきます。
アルギニンは運動前が基本?時間の目安
結論はシンプルです。アルギニンは運動前に使うのが基本です。
タイミングは、メインのトレーニングに入る30分前を目安にしてください。実際の流れとしては「到着→着替え→水をひと口→アルギニン→ウォームアップ」の順がちょうどいいリズムになります。
直前に慌てて飲むより、少し前に入れて呼吸と姿勢を整える余白をつくる方が、立ち上がりが安定します。空腹で胃が重くなるタイプは、食間や軽い補食のあとに回すと無理がありません。逆に、脂っこい食事の直後は避けて、少し時間を置いてからにしましょう。
夜トレの人は、就寝に近いほど早めに寄せて反応を確認します。眠りが乱れる日は、その夜は使わず、朝や日中のタイミングに切り替えるのが安全です。
筋トレ日の使い方(ベンチマークになる流れ)
筋トレの日は、ウォームアップに入る少し前を定位置にします。目安はメインセットの30分前。直前に慌てず、呼吸と姿勢を整える余白をつくるのがポイントです。
流れの例(ジム到着後)
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更衣 → 水をひと口
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アルギニン
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関節まわりの可動域づくり(肩甲帯・股関節・胸椎)
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競技動作に近いウォームアップ(バーのみ・軽重量でフォーム確認)
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メインセットへ
時間の組み立て(19:00にメイン開始のイメージ)
18:25 アルギニン → 18:30 可動域 → 18:40 ビルドアップ → 19:00 メイン。
“到着して一息ついたら入れる”くらいの余裕がちょうどいいです。
胃と食事のコツ
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空腹で重くなりやすい人は、ヨーグルトやバナナ少量を先に。
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脂っこい食事の直後は避け、少し時間を置いてから。
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口が渇きやすい人は、摂取の前後にひと口の水。
夜トレのとき
就寝が近い日は、タイミングを**やや早め(40〜60分前)**に寄せて比較。眠りが乱れる日はその夜は使わず、朝か日中に回してください。カフェインは置き換えるか控えめに。
ワンポイント
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ビッグ3の日も、時刻を固定する方が安定します。
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EAAは動き出してからでも十分。最初から同時に重ねず、時間差で。
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迷ったら「時刻/体感/胃の様子」を3〜5回だけメモ。自分の型が決まります。
ランニング・有酸素の日の使い方
有酸素は“軽く立ち上げてから入る”のが安定します。直前ではなく少し前に入れて、呼吸とフォームを整える余白を確保しましょう。
朝ラン(出社前など)
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起床 → 水をひと口 → アルギニン → 準備運動10分 → スタート
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目安はスタートの20〜30分前。空腹で胃が重くなる人は、バナナ少量やヨーグルトひとさじを添えると安定します。
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初回で違和感が出た日は、朝は使わず日中の運用で比較してください。
夕方ラン(仕事後)
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走り出しの30〜45分前。更衣→水→呼吸→アルギニン→可動域づくり→ジョグの流れ。
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脂っこい食事直後は避け、少し時間を置いてから。夜遅いランは**早め(45〜60分前)**に寄せて、就寝への影響を確認します。
メニュー別のコツ
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イージー走・ジョグ(〜60分):定位置を守るだけで十分。水分は前後にひと口ずつ。
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ビルドアップ・インターバル:アップ開始の30分前を基準に。上がり方を読みやすくし、カフェインは置き換え or 30〜60分差。
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長めの有酸素(60分超):開始前に少量の糖質(バナナ半分など)+水。暑い日は電解質を先に決めておくと失速しにくい。
胃と水分の扱い
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空腹で重くなるタイプは食間に寄せるか、軽い一口を添える。
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直前のがぶ飲みは避け、摂取の前後に少量が基本。むくみが気になる日は少量を回数で。
夜ランの注意
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就寝が近い日は、タイミングを早めにして比較。眠りが乱れる日はその夜は使わず、朝や日中へ移動。
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夕方以降のカフェインは控えめに。どうしても使う日は時間差を。
運動後に飲むのはあり?なし?判断の目安
基本は運動前で足りる——これが出発点です。
運動後に使うのは、目的がハッキリしているときだけに絞りましょう。
運動後に“あり”な場面
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セッションが長引いた(90分前後〜)うえ、このあとも頭を使う作業が続く
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朝トレ後で、日中のパフォーマンスを整えたい(就寝まで十分な時間がある)
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今日は事情があって運動前に使えなかったので、クールダウン後に軽く立て直したい
“なし/避ける”ほうがいい場面
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夜トレで就寝が近い(入眠まで2時間を切る)
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胃が重い、胸やけ、動悸などの違和感が出たことがある
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すでに運動前に使っている(むやみに足さず、栄養・水分・睡眠を優先)
使うならのコツ(朝〜日中のトレ後)
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終了後すぐではなく、クールダウン→水をひと口→呼吸を整えるの流れを挟んでから。
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少量で比較し、合う日だけ。合計量はパッケージの目安内にとどめる。
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回復の主役はあくまで睡眠・たんぱく質・糖質・水分。アルギニンは“補助”に位置づける。
夜トレの注意
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就寝が近い日は運動後は入れない。使うならウォームアップ前に早めへ寄せ、眠りに影響が出る日は夜の使用自体を休む。
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夕方以降のカフェインは控えめに。必要なら時間差で。
判断を早めるミニチェック
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今日:運動前に使った? → Yes:後は栄養・水分へ。No:朝〜日中で作業が続くなら少量で比較。
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今:就寝まで2時間以上ある? → No:運動後は使わない。
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体:胃や睡眠の気になるサインは? → ひとつでもあれば見送る。
EAA・クレアチン・カフェインとの合わせ方(運動日)
考え方は一つ。主役はアルギニン、他は時間差で添える。いきなり全部を同時に始めず、順番に足して体感を見ます。
EAA(必須アミノ酸)
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筋トレ日は、アルギニン → ウォームアップの流れを崩さず、EAAは動き出してから少しずつ。
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ランニング日は、ジョグに入って10〜20分後から小分けに。
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胃が繊細な人は、濃さを薄めて“ちびちび”が安定。
クレアチン
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目的は“急に効かせる”より毎日の蓄え。時間帯は食後やトレ後など続けやすいところに固定。
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アルギニンと同時に重ねる必要はない。まずはアルギニンの時刻を決め、クレアチンは日課として淡々と。
カフェイン
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同時に重ねると読みにくい。基本は置き換えか30〜60分の時間差。
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夜トレは睡眠優先でカフェインは控えめ。どうしても使う日は早めに寄せて比較。
ミニサンプル:筋トレ 19:00 メイン開始
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18:25 アルギニン
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18:30 可動域 → 18:40 ビルドアップ
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19:05 からEAAを小分けに
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クレアチンは夕食後に回す(習慣化重視)
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カフェインは原則なし。必要日だけ17:30ごろに少量で時間差
ミニサンプル:朝ラン 6:30 スタート
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6:00 水 → アルギニン
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6:10 準備運動
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走り出して10〜20分後からEAAを少しずつ
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クレアチンは朝食後に固定
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カフェインは置き換えが無難。使うなら5:30ごろに小サイズで
食事と水分のコツ
運動日の体感は、食事と水分の扱いでほぼ決まります。アルギニンの時刻だけでなく、口に入れるものの順番をそろえるとブレが減ります。
脂っこい食事の直後は避ける
揚げ物やこってり系の後すぐは、胃が重くなりやすい時間。45〜60分は間を空けてから動きましょう。どうしても時間がない日は、強度を落として可動域づくり中心に。
空腹で重くなるタイプは“軽い一口”
ヨーグルト、バナナ半分、カステラ一切れ、ゼリー飲料少量など。量は少なめでOK。目的はエネルギーというより胃を落ち着かせることです。
糖質は“ちょい先行”が効く
インターバルや重めのメニューがある日は、開始の60〜90分前におにぎり半分やトースト少量。直前にドカッと入れるより、少し前に控えめが安定します.
水分は前後に少しずつ
がぶ飲みは脇腹の違和感やトイレで流れが切れます。アルギニンの前後にひと口ずつ、運動中はこまめに少量。汗が多い日は電解質を少し加えると失速しにくい。
むくみが気になる日の考え方
水を減らすと余計に重く感じがち。少量を回数で入れる方が軽くなります。塩分強めのランチが続く週は、夕方のスープや味濃い間食を控えめに。
胃が繊細な人の小ワザ
歯みがき→水ひと口→アルギニン→準備運動、の順にすると落ち着きやすい。酸味が気になるサプリは食後へ回すと安定します。
スケジュール例:夜トレ 19:30開始(筋トレ)
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18:00 軽めの補食(おにぎり半分 or バナナ)
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18:50 水ひと口 → アルギニン
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19:00 可動域づくり → ウォームアップ
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19:30 メインセット
スケジュール例:夕方ラン 18:30スタート
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17:00 間食少量(ヨーグルト or カステラ)
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17:45 水ひと口 → アルギニン
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18:00 準備運動 → 18:30ジョグ開始
スケジュール例:朝ラン 6:30スタート(軽め)
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起床 水ひと口 → アルギニン
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6:10 準備運動
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6:30 スタート(空腹が不安ならバナナ数口だけ)
よくある失敗と直し方(運動版)
直前に慌てて飲む
ウォームアップ中に体感がぶれてフォームも乱れやすい。メインの30分前に戻し、到着→水→アルギニン→可動域づくりの順に。
強いプレワークアウトと同時に重ねる
何が効いているのか読めない。まずは置き換え、どうしても併用する日は30〜60分の時間差。
毎回、入れる時刻が違う
判定不能。同じ時刻で3〜5回そろえてから微調整。
脂っこい食事の直後に入れる
胃が重くなりやすい。45〜60分あけるか、可動域中心に強度を落とす。
空腹でムカつく/重い
ヨーグルトやバナナ少量を添える。合わなければ食間へ回す。
水分ゼロ、または直前にがぶ飲み
どちらも不利。摂取の前後にひと口ずつ、運動中はこまめに少量。
夜トレで就寝直前にも入れる
眠りが乱れやすい。使うならウォームアップ前に早めへ寄せ、就寝が近い日は運動後は入れない。
高温多湿の日に電解質なし
後半で失速。水だけでなく電解質を少量決めておく。
効かない日に量を足し続ける
量より時刻の再現性が先。まずタイミングを固定し、食事・睡眠の土台を整える。
体質・目的別の調整
胃が弱いタイプ
空腹だと重くなりやすい。運動の30〜40分前に回し、ヨーグルトやバナナ少量を添える。脂っこい食事直後は避けて45〜60分空ける。
カフェインに敏感
プレワークアウトは置き換えを基本に。どうしても併用する日は30〜60分の時間差をつける。夜トレはカフェインなしが無難。
減量期(脂肪を落としたい)
空腹トレで気持ち悪くなる人は、軽い糖質を60〜90分前に少量。アルギニンは30分前を固定。水分は“こまめに少量”。
筋肥大期(ボリューム重視)
セッションが長くなる日は、ウォームアップ30分前にアルギニン→EAAは動き出してから小分け。クレアチンは食後で淡々と継続。
持久系メイン(ラン・バイク)
朝は起床→水→アルギニン→準備10分→開始。60分超は少量の糖質+電解質を先に決めておく。夕方は30〜45分前を基準。
夜トレ派
就寝が近い日は早め(40〜60分前)に寄せて比較。眠りが乱れる日はその夜は使わず、翌日朝 or 日中に回す。
月経前でむくみやすい
水分を減らさず少量を回数で。塩分の強い食事を控え、タイミングは30分前固定でブレを作らない。
マスターズ世代(40代以降)
可動域づくりに時間を割き、アルギニン→可動域→ウォームアップの順を徹底。脂っこい食事直後を避け、胃にやさしい補食を活用。
初心者
まずは「同じ時刻で3〜5回」を合言葉に。よく分からなくなったら、到着→水→30分前→可動域、の基本に戻る。
FAQ:運動前・運動後のアルギニンでよくある疑問
Q. アルギニンは運動前・運動後どっちがいい?
A. 基本は運動前。メイン開始の30分前を目安に。運動後は目的がはっきりしている日だけ少量で比較。
Q. 「アルギニン 運動前 何分前」が知りたい
A. 目安は30分前。夜トレや緊張しやすい日は40〜60分前に寄せて様子を見る。
Q. 筋トレのときは?(ベンチプレスなど)
A. 到着→水→アルギニン→可動域→ウォームアップ→メインの順。時刻はメイン30分前に固定。
Q. ランニング前は?
A. 朝はスタート20〜30分前、夕方は30〜45分前。長めの日は少量の糖質と水分を先に決めておく。
Q. 空腹時でも平気?
A. 体質次第。空腹で重い人はヨーグルトやバナナ少量を添えるか、食間に回す。
Q. プロテインやEAAと同時に飲んでいい?
A. 読みにくくなるので時間差を。アルギニンは運動前、EAAは動き出してから小分け、プロテインは運動後が目安。
Q. カフェイン(コーヒー・プレワークアウト)と一緒は?
A. 基本は置き換え。併用する日は30〜60分の時間差をつける。夜トレはカフェイン控えめ。
Q. 運動後にも飲むべき?
A. 多くは前で足りる。後で使うのは、朝〜日中のトレ後で作業が続く日など“理由があるときだけ”。
Q. 就寝前のトレーニング日はどうする?
A. 眠りを優先。使うならウォームアップ前に早めへ寄せ、運動後は入れない。
Q. 毎日続けても問題ない?
A. 体調が安定していれば可。量はパッケージの目安内、合わない日は無理をしない。
安全の注意と相談の目安
アルギニンは体づくりを支えるサプリです。トレーニングの成果を保証する薬ではありません。体調に合わせて無理なく使いましょう。
始める前に医師へ相談したい方
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通院中・服薬中(とくに降圧薬、硝酸薬〈狭心症〉、PDE5阻害薬)
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心臓・血圧・腎臓・肝臓・糖尿病などの持病がある
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妊娠中・授乳中・妊活中
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手術の前後
いったん中止して様子を見るサイン
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強い胃の重さ、胸やけ、吐き気
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発疹・かゆみなどの皮膚症状
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動悸、めまい、息苦しさ
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眠りの乱れ(寝つきが悪い、夜中に何度も覚醒)
基本の守り方
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量はパッケージの目安内にとどめ、いきなり増やさない。
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アルコールとは重ねない。夜トレ日はカフェインを控えめに。
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脂っこい食事の直後は避け、少し時間を空ける。
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直射日光・高温多湿を避けて保管し、子どもの手の届かない場所へ。
まとめ:運動前は「30分前」に決めて、あとは時間差で整える
アルギニンは運動前に使うのが基本。
目安はメイン開始の30分前。到着→水ひと口→アルギニン→可動域づくり→ウォームアップ、の順をそろえるだけで立ち上がりは安定します。
夜トレや緊張しやすい日は、40〜60分前に少し早めて比較。眠りが乱れる日は、その夜は使わず朝や日中に回すのが安全です。
EAA・プロテイン・クレアチン・カフェインは、同時に重ねず時間差で。
脂っこい食事直後は避け、空腹で重い人は軽い一口を添える。水分は前後に少量で十分。
迷ったら、まずは同じ時刻で数回そろえる。
“効いた日”の型を固定してから、必要なものを少しずつ足す。これが、運動日のアルギニンをぶらさず効かせるいちばん現実的なやり方です。

